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2016年8月17日 (水)

陛下の御心、首相の心

 戦後71回目の8月15日を迎えた。敗戦記念日である。一般的には終戦記念日と言っているが、日本は戦争に敗けたのだから終戦ではなく敗戦である。終戦というのは、戦勝国が使う言葉だろう。官僚が好む曖昧言葉で、マスメディアの官僚に対する追従である。いつもそうだ。メディアは、戦前、戦中、戦後とも官僚や政治家や軍部の言いなりで、存在意義である批判精神など皆無である。

 先日も、たまたまテレビのチャンネルを回していたら、非常に興味深い番組を放映していた。テレビ朝日で‟太平洋戦争最後の作戦、緑十字機決死の飛行‼”との題材だった。全部を見た訳ではないが、敗戦直前に日本軍厚木航空隊が、太平洋戦争徹底抗戦を唱えて反乱を起こした。政府のボッタム宣言受諾のため、マニラにいるマッカーサー連合軍司令長官に高官を派遣する際に起きた事件である。連合軍の指示により、機体を白く塗り、日の丸の代わりに緑十字を記して沖縄の伊江島まで飛び、そこで米軍の飛行機に乗換え、帰りに静岡県の天竜川付近の海岸に不時着しながらも、無事に使命を果たしたという話だ。

 非常に興味深い番組だったが、1935年(昭和20年)生まれの私も初めて聞く話であり、なぜこれまで報道しなかったのか、他のメディアが報道しないのか、あるいは出来なかったのか分からない。なぜ太平洋戦争、大東亜戦争と二つの名前があるのか? 戦争を始めた理由、戦前・戦中の出来事、敗戦処理等々について、ドイツのように総括がないし、報道もない。戦後、官僚と政治家によって封印されてしまった。国民の知る権利も捨て去られている。知らないから、国民が勝手に事実とは異なる解釈・理解をしても文句も言えない。

 1945年(昭和20年)の敗戦時に生まれた人でも今年で満71才。戦争すら知らない人がほとんどである。官僚も政治家も学者でさえも、戦後に生まれた人間ばかりで、戦争を知らない連中が、勝手に自分の都合のいいように解釈していると言っても過言ではない。こうした歴史認識がバラバラの中で、全国戦没者追悼式で天皇陛下が述べられたお言葉は「過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返さないこと切に願う」と述べられた。戦前・戦中のことをよくご存じだからだ。対して安倍首相は反省には言及しなかったようだ。安倍晋三は戦後生まれで、太平洋戦争については、岸信介元首相から聞かされているはずだが、岸元首相は無罪にはなったがA級戦犯に列せられた人間で、どれだけ真実のことが伝わっているか極めて疑問である。天皇陛下が2年続けて反省の弁を述べられたのも、政府を代表する人間が、極めて不遜な態度をとるのが許せなかったのでは、と拝察する。首相たるもの、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴である天皇陛下の御心を忖度出来ないようでは悲しくなる。

 

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